犬の泌尿器・生殖器の病気
投稿日 : 2015年9月16日 |
カテゴリー :
動物病院,
病気
- 子宮蓄膿症
避妊手術をしていない中~高齢の雌犬に比較的多く発生します。一般的には発情後、数ヶ月後に発症し病状が進行した状態で来院するケースが多いです。
症状:元気消失、多飲多尿、陰部からの排膿、腹部膨満、発熱、嘔吐などです。
診断:血液検査、レントゲン検査、超音波検査等で比較的簡単に診断できます。
治療:原則、外科手術で卵巣子宮を全摘出します。麻酔のリスクが高い場合は内科療法も選択されます。
- 慢性腎疾患(慢性腎臓病)
中年齢以降の犬で腎機能が慢性的に進行性に低下して生命を脅かす病気です。
診断:血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査、血圧測定などで診断します。
治療:初期のものは腎臓病処方食が中心です。日頃は新鮮なお水を十分飲めるよう心がけます。高血圧や蛋白尿が認められる場合はそれぞれの治療も行います。進行しますと貧血や脱水が出てきます、それぞれに対処療法も必要です。
- 急性腎疾患(急性腎不全)
様々な原因で急激な腎機能の低下に伴い生命の維持が困難になった状態。早期に発見し、適正な治療で腎機能の回復の可能性があるが、慢性腎臓病に移行する場合が多い。死亡率の極めて高い病態です。
- 膀胱炎
膀胱炎は便の中や陰部周囲の皮膚に存在する細菌が尿道経由で膀胱に侵入し感染する細菌性膀胱炎が最も一般的です。犬では急性の膀胱炎が多く、ほとんどが細菌感染です。
症状:頻尿、血尿、混濁尿、後腹部の痛み、尿漏れなどです。
診断:問診、尿検査、尿の細菌培養、レントゲン検査、超音波検査などです。
治療:急性膀胱炎は抗菌薬の内服によって治療します。慢性膀胱炎は耐性菌の感染している場合や膀胱炎以外に何か基礎疾患が隠れている場合があります。例えば糖尿病などです。基礎疾患も同時に治療する必要があります。
- 前立腺肥大
前立腺の過形成によって生じる良性の肥大です。雄犬で最も多く認められる前立腺の病気です。約7歳以上の未去勢の雄犬で多く発症します。前立腺嚢胞、前立腺炎、前立腺膿瘍などは前立腺肥大に伴って発症することがあります。
症状:無症状の場合もありますが、尿が出にくくなったり、便のしぶりや少量しが出ないのに何回も便意をもよおす、便が細くなるなどの排便に関連した症状を示すことのあります。
治療:外科治療と内科治療があり、外科治療(去勢手術)が一般的ですが。麻酔のリスクが高い犬は内科療法も選択肢です。