乳腺腫瘍
犬の乳腺腫瘍は大まかに約50%が良性腫瘍、残り約50%が悪性腫瘍です。また良性のものが悪性に変化するとも言われます。悪性の程度も低いものから炎症性乳癌といわれる極めて高いものまで様々です。また肺などへの転移率が高いです、転移が判明してからの余命は約1ヶ月から長くて3ヶ月程度です。雌犬での発生がほとんどです。予防はご存知の方が多いと思いますが、早期の避妊手術です。初回発情前の避妊手術での乳腺腫瘍の発症率は0.05%とも言われ、未避妊の雌では避妊雌の犬に比べ乳腺腫瘍のリスクが7倍になるというデータもあります。発情を年2回繰り返す毎に乳腺腫瘍の発生率が高まります。繁殖を考えていないのなら早期の避妊手術をおすすめします。写真1の症例は肉眼的に炎症性の乳癌が強く示唆されたため積極的な治療を勧めたが、緩和治療として部分的な腫瘍切除にとどめた。(手術前)
写真は術後の所見。病理組織検査の結果乳腺癌であった。(緩和手術後)
写真は術前の胸部レントゲン所見、特に問題なく正常な所見である。
写真は手術の3月後に肺へ転移した所見である。悪性の乳腺癌の場合、肺転移となりその後1~2ヶ月の経過で亡くなってしまうケースがほとんどである。くどいようであるが早期の避妊手術が第一の予防である。
犬の乳腺腫瘍は大まかに約50%が良性腫瘍、残り約50%が悪性腫瘍です。また良性のものが悪性に変化するとも言われます。悪性の程度も低いものから炎症性乳癌といわれる極めて高いものまで様々です。また肺などへの転移率が高いです、転移が判明してからの余命は約1ヶ月から長くて3ヶ月程度です。雌犬での発生がほとんどです。予防はご存知の方が多いと思いますが、早期の避妊手術です。初回発情前の避妊手術での乳腺腫瘍の発症率は0.05%とも言われ、未避妊の雌では避妊雌の犬に比べ乳腺腫瘍のリスクが7倍になるというデータもあります。発情を年2回繰り返す毎に乳腺腫瘍の発生率が高まります。繁殖を考えていないのなら早期の避妊手術をおすすめします。写真1の症例は肉眼的に炎症性の乳癌が強く示唆されたため積極的な治療を勧めたが、緩和治療として部分的な腫瘍切除にとどめた。(手術前)
写真は術後の所見。病理組織検査の結果乳腺癌であった。(緩和手術後)
写真は術前の胸部レントゲン所見、特に問題なく正常な所見である。
写真は手術の3月後に肺へ転移した所見である。悪性の乳腺癌の場合、肺転移となりその後1~2ヶ月の経過で亡くなってしまうケースがほとんどである。くどいようであるが早期の避妊手術が第一の予防である。
肥満細胞腫
皮膚肥満細胞腫と消化管の肥満細胞腫がよく知られています。皮膚型は一般的には隆起した潰瘍病変や単純な腫瘤の場合もあります。重要な予後因子は組織学的グレードであるので、必ず病理組織検査が必要です。転移は局所リンパ節、肝臓、脾臓、骨髄に認められる。また肥満細胞がヒスタミン顆粒を放出しますので痒みがあり、足で引っ掻いたり、口でなめて微小な出血などを繰り返します。消化管型の場合は発見が遅れ、高率に転移し全身に広がっている場合が多く予後は悪い。早期に発見し積極的な治療で完治する場合も多いのが、この腫瘍の特徴です。外科的切除、放射線療法、転移性、播種性のものに対して化学療法を実施する。
顎の下に発生した皮膚肥満細胞腫。
写真は腫瘍部の細胞診所見です。腫瘍細胞内に紫色に染まるヒスタミン顆粒を多量に含む。
写真は細胞診の強拡大所見です。
皮膚肥満細胞腫と消化管の肥満細胞腫がよく知られています。皮膚型は一般的には隆起した潰瘍病変や単純な腫瘤の場合もあります。重要な予後因子は組織学的グレードであるので、必ず病理組織検査が必要です。転移は局所リンパ節、肝臓、脾臓、骨髄に認められる。また肥満細胞がヒスタミン顆粒を放出しますので痒みがあり、足で引っ掻いたり、口でなめて微小な出血などを繰り返します。消化管型の場合は発見が遅れ、高率に転移し全身に広がっている場合が多く予後は悪い。早期に発見し積極的な治療で完治する場合も多いのが、この腫瘍の特徴です。外科的切除、放射線療法、転移性、播種性のものに対して化学療法を実施する。
顎の下に発生した皮膚肥満細胞腫。
写真は腫瘍部の細胞診所見です。腫瘍細胞内に紫色に染まるヒスタミン顆粒を多量に含む。
写真は細胞診の強拡大所見です。