身体の表面の腫瘍は飼い主さんが気づきやすいものといえるでしょう。そのため誰でも早期に発見できます。犬の場合の体表にできる腫瘍で代表的な良性の腫瘍としては乳頭腫、基底細胞腫、脂肪腫、肛門周囲腺腫、マイボーム腺腫(眼瞼)、皮膚組織球腫、皮内角化上皮腫、毛包上皮腫、皮脂腺腫などである。
良性といっても発生場所や増大傾向や潰瘍化など、腫瘍の性質の変化などで積極的治療が必要なことも良くある。代表的な悪性の腫瘍として扁平上皮癌、皮膚肥満細胞腫、皮膚型リンパ腫、線維肉腫、皮膚メラノーマ、リンパ腫(リンパ肉腫)、などがある。その他にも乳腺腫瘍、精巣の腫瘍(セルトリー細胞腫、セミノーマ、ライディッヒ)、皮膚の血管腫・血管肉腫、それ以外にも様々な腫瘍がある。これらの中には良性の腫瘍が悪性に転化する腫瘍もあるので、最初の診断で良性でも予後が必ずしも良好でない場合もあり得る。いずれにしても良く身体を触り、ブラッシング、シャンプー等の時に早期に発見することが重要である。特に長毛種は気をつけましょう。