• 急性胃炎
    原因として食事(腐った食物、食事の急変、濃厚な食事など)、中毒(様々な植物、薬物など)などが考えられます。その他異物誤飲などにより激しい胃炎を起こし嘔吐する場合などもあるでしょう。
  • 胃拡張・胃捻転
    胃の拡張および胃の変位により起こる病気です。一般に胸の深い大型犬で発症し、食後の運動やストレスが関与します。急激にお腹がふくらみ、ショックや衰弱を示します。死亡率が高く、早く適切な対応が必要な救急疾患です。
  • 腸閉塞
    小腸に飲み込んだ異物などが閉塞し、腸の通過障害を起こします。1才位までの成長期の子犬では良く起こります。頻回の嘔吐や食欲不振などが主な症状です。腸が捻れたり、腸の一部が他の部位に入り込む重積の状態になると腸の壊死(腐る)やショック状態に陥り死亡する場合もあります。早期に発見し、治療は手術が適応です。
  • 急性膵炎
    膵臓の炎症により腹痛や消化器症状が認められます。突然症状が現れ軽度なものから重症化するものまで様々です。多臓器不全を併発したり、黄疸や出血傾向(出血が止まらない病態)などにより死亡することのあります。集中的な入院治療が必要な病気です。突然の食欲不振や消化器症状が認められたら、なるべく早く動物病院を受診しましょう。
  • 膵外分泌不全
    何らかの原因で膵臓の外分泌腺が萎縮し機能しなくなる病気で、食欲はあるが体重は減少し、消化不良の大量の白っぽい便になるのが特徴である。食糞や腹なりも頻繁にみられる。消化酵素が膵臓から出ないので、消化酵素を食事に混ぜて与える必要がある。食事も消化しやすいものに変更する。
  • 急性肝不全
    様々な原因(ウイルス、細菌、薬物、麻酔、溶血性貧血、急性膵炎、中毒、犬フィラリア症(犬糸状虫症)、熱中症(日射病・熱射病)、交通事故による腹部損傷など)で肝臓の細胞が急激に壊死(細胞が死亡)することにより、肝臓が機能しなくなる病気です。
    症状:急に元気食欲がなくなり、嘔吐や下痢が頻発し、粘膜が黄色くなる黄疸が見られ、ケイレンや昏睡、血便や黒色便を排泄し、そうなると死亡率が高まります。
    治療:内科治療が中心です。
    予防:ウイルス性は混合ワクチンで予防できるものもあります。
  • 慢性肝炎
    犬では遺伝性の慢性肝炎が多い。有名なものに銅が肝臓細胞に蓄積する慢性肝炎があり、ドーベルマンやベトリントンが好発犬種である。その他スパニエル 犬種に起こりやすい原因不明の慢性肝炎がなどがある。慢性肝炎は進行すると肝硬変へと移行するため、そのため治療は進行を遅らせる治療が中心となる。